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ADHDが依存しやすい理由

話題に上がることの多い、大人の発達障害。

当事者の方は生きづらさや二次障害を抱えていることも少なくなく、その中でも依存症は多いとされています。

どうしてADHDを持つ人は依存症を抱えやすいのか

ここからどんなことがわかるのか

簡単に説明していきます。

 

[注意]

この記事では依存症は「何かに特定なものに心を奪われ、やめたくてもやめられない状態(厚生労働省より)」を指します。そのため、アルコール依存症、ギャンブル依存症などから、インターネット、買い物、ゲームなど幅広いものを含みます。必ずしも精神疾患的な依存症を指しているわけではありません。

 

ADHDは依存症になるリスクが高い

 

ADHDと依存の関係性については多くの研究がされてきました。そして、ADHDを持つ人の依存症の合併率は健常者より高いことが報告されています。

 

例えばアメリカではADHDを持つ人の15.2%、つまり100人に15人は物質関連障害(アルコール依存症、薬物依存症など)を抱えているという報告があります。

アルコール依存症はADHDを持つ人の3人に1人が発症しており、またギャンプル依存症を抱える人の4人に1人がADHDも持っているとされています。

日本でも調査が行われており、アルコール依存症とADHDの両方を抱えている人は20代などの若い人に多く、ADHDを持つ人の5人に1人という調査結果があります。

また、日本の大学生を対象にした調査では、ADHDの不注意傾向が高いほどインターネットやゲームの依存傾向が高いことがわかっています。

 

ADHDが依存症と合併しやすい理由

 

それでは、なぜADHDを持つ人は依存症になりやすいのでしょうか。はっきりしたことはわかっていませんが、いくつかの説が有力とされています。

 

ADHDの障害の特性

ADHDを持つ人は元々、のめり込みが強かったり、過集中になりやすいです。

そのため、一つのことに没頭して周りに気がつかなくなりがちで、その特性が依存症に繋がるのでは、と考えられています。

しかし、これは二次障害の「依存症」と見るべきなのか、「特性」と見るべきなのか、今後さらに研究が必要です。

 

ADHDを持つ人が抱える生きづらさ

発達障害を抱える人は、生きづらさを抱えている場合が多くあります。そして、そのストレスから逃れるために、例えばアルコールやギャンブル、インターネットなどに依存してしまうことがあるのです。

日本でおこなわれた調査では、ADHDを持っていてアルコール依存症を併発している方は健康状態が悪かったり経済的に困窮していたりと行きづらい環境に置かれている傾向があるという結果になっています。

また、子供の場合、現実がうまくいかずインターネットの交流に没頭している可能性もあるとされています。

 

ADHDの報酬系の障害

最後に、脳内の話をします。

ADHDは脳内報酬系の障害とも言われており、ドーパミンが増加しにくい傾向があります。これは、刺激がないとやる気が出ないと言った症状を引き起こすことがあるのです。

これにより、行動しつづけ、依存症のような行動をとることで脳内報酬系を高めようとしていることがあります。

 

ここから期待したいこと

二次障害は、発達障害を持つ人を生きづらくさせる要因となる可能性があります。

そして、依存症もその一つです。依存症の原因がストレスの場合、早めに障害に気がつき適切な対応を受けることで二次障害のリスクを減らすことに繋がるかもしれません。

また、幼い頃から自分の特性を理解することで、依存症を防ぐことにも繋がると考えています。(mido)

 

まとめ

ADHDを持つ人がなぜ依存症に陥りやすいのかをまとめました。障害の特性や脳の影響、心理的要因までその原因は様々だと考えられています。

自分や周りの人がストレスを感じていないか、また、どうして依存しやすいのか、参考になれば良いと思います。

参考文献

大久保 純一郎, インターネット依存傾向と発達障害傾向の関連性について-ADHD傾向に関する探索的調査- ,帝塚山大学心理科学論集, 3 pp.45-49,2020

 

宋 龍平 ソウ リュウヘイ ; 角南 隆史 スナミ タカシ, アルコール使用障害と発達障害Frontiers in alcoholism = アルコーリズム : アルコール依存症と関連問題 / 「Frontiers in alcoholism」編集委員会 編

依存症対策全国センター. (n.d.). Retrieved November 02, 2020, from https://www.ncasa-japan.jp/notice/duplicate-obstacles/developmental-disorder

 

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mido

NeBA MEDIAリーダー。慶應義塾大学総合政策学部1年。大学で認知心理学と視線処理を用いた、定量的な自閉症の診断を研究しています。ASD当事者。概日リズム障害、不登校なども経験済み。中高時代はカナダ・BC州に在住

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