もっと知ろう 注意欠陥・多動性障害 発達障害

ADHD は遺伝するのか 研究状況まとめ

100人に3人は当てはまると言われている、注意欠陥・多動性障害(ADHD )

発達障害の一つで、どうして起こるのか、その研究が行われています。

この記事では遺伝にテーマを絞って原因をみていこうと思います。

 

 

注意欠陥・多動性障害の原因は1つではない

ADHD の原因は1つではないと考えられています。

つまり、「これがあればADHD !」と言ったものはないのです。

複数の要因が組み合わさって、初めてADHD の症状になります。

 

注意欠陥・多動症の原因は大きく分けて2つ

では、どのような要因が組み合わさってADHD の症状は現れるのでしょうか。

現段階では、遺伝要因と環境要因に分けて考えられています。

 

遺伝要因

ADHD には遺伝の関わりが多いと言われています。

第一近親者がADHD を持っている場合、発症するリスクは5〜9倍になるという報告があります。

 

また、遺伝の研究でよく使われる、双子を使った調査も行われています。これによると、

一卵性の双子の場合、どちらもADHD な可能性は50~80% なのに対して、二卵性の双子がどちらもADHDの可能性は30~40%なのです。

一卵性の双子の方が一致率が高いことから、なんらかの遺伝要因が関わっていると考えられるのです。

 

ちょっと難しい話を

具体的に何が関わっているのか、詳しいことがわかっていないのが現状です。ADHD は自閉症スペクトラム障害などと比べて研究が少ないのです。

 

現段階で報告されていることは以下の通りです。

  • ADHD の10%にグルタミン酸のネットワークが関与している
  • ドパミンを中心としたアミン系神経伝達物質が関与している
  • ドパミンや世良10人のトランスポーターやレセプターの多型でADHD のリスクが上がる
  • DAT1(ドーパミン転送遺伝子)やDRD4(ドーパミン受容体遺伝子)が関わっている

こちらは参考文献で詳しく説明されていますので、興味があればご覧ください。

 

環境要因

ADHD には環境も少なからず関わると言われています。

例えば、妊娠中の喫煙や飲酒、ストレスなどです。しかし、これは特定に条件が重なった時のみと考えられています。

また、妊娠中に有機リン系の農薬の近くにいると、ADHD の不注意のリスクが高くなる、と言った報告もあります。

しかし、どのように関わるのかはわかっていないのが現状です。

 

経済状況、養育している方の問題行動、虐待などが関連するという報告もあります。一方、これは環境が改善するとADHD の症状が和らぐことから、ADHD と同じような症状が引き起こされると考えるのが良いとしている論文もあります。

 

まとめ


ADHD の遺伝要因について、現段階の情報をまとめました。

自分や家族が当事者だと、遺伝について気になることも多いかもしれません。

しかし、大切なのは適切な支援をしてあげることだと考えています。

ADHD について、詳しいことがわかり、支援の幅や早期発見に繋がることを期待しています。

 

参考文献

大橋圭, 齋藤伸治, AD/HD関連遺伝子, 日本臨牀,76(4),pp555-560, 2018

杉江陽子, 環境と遺伝の相互作用, 脳と発達 47(3), pp.225-229, 脳と発達, 2015,

治徳大介 ; 吉川武男, 自閉性障害・注意欠陥/多動性障害のゲノムワイド関連研究(GWAS),

医学のあゆみ, Vol.239(6), pp.721-727, 2011.

永光信一郎, 特集 発達障害Update : (5) 発達障害と環境因子,チャイルドヘルス, Vol.19(5), pp.335-338, 2016.

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mido

NeBA MEDIAリーダー。慶應義塾大学総合政策学部1年。大学で認知心理学と視線処理を用いた、定量的な自閉症の診断を研究しています。ASD当事者。概日リズム障害、不登校なども経験済み。中高時代はカナダ・BC州に在住

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