もっと知ろう 発達障害 自閉症スペクトラム障害

わがままではない 自閉症スペクトラム障害の子が偏食になりやすい理由

誰にでもある、食べ物の好き嫌い。

わがままという印象をもったり、学校で矯正された経験のある人も多いのではないでしょうか?

しかし、自閉症スペクトラム障害を持つ人にとっては少し異なります。

今回は発達障害を持つ人の「食べられない」について、ご紹介していきます。

 

自閉症スペクトラム障害の偏食はわがままではない

自閉症スペクトラム障害を持っている人にとって、食べ物の好き嫌い、「偏食」はわがままではありません。本人の障害の特性によるものの場合が多いのです。

 

自閉症スペクトラム障害を持つ親にむけたアンケートでは、子供の偏食に困っている親御さんは8割ほどいることがわかっています。

これは、例えばダウン症や脳性麻痺を持っている子供たちと比べても極めて高いのです。自閉症スペクトラム障害で特徴的な症状だと言えます。

 

しかしこの偏食、中には点滴を受けたり、糖尿病になってしまう子供もいます。

 

しかし、強制的に食べさせたり、叱ることは食事嫌いに結びつくこともあり、慎重にならなくてはいけません。厳しい指導は不登校などの二次障害につながってしまうこともあります。

 

トミー
給食の時間は食べられないものが多くて困りました。サラダだけしか食べられないなんて日もザラでした。

自閉症スペクトラム障害を持つ人が偏食になるわけ

 

それでは、なぜ自閉症スペクトラム障害を持つ人は偏食傾向が強いのでしょうか。

これには自閉症スペクトラム障害の特性が関係しており、大きく分けて2つの理由に分けられます。

 

自閉症のこだわり特性

自閉症スペクトラム障害のメインの症状の1つにこだわり行動ということがありますよね。このこだわりにより偏食が起こっているのです。

例としては以下のものがあります。

  • メーカーが違うカレールーは食べない
  • いつもと同じ場所(家など)でないと食べない
  • 新しいもの、慣れていないものは口にしない

 

トミー
新しいものが怖いので、食わず嫌いのような食べ物が多いです。いつもの違うというのが苦手なんです・・・。

自閉症の感覚過敏

次に、自閉症スペクトラム障害を持っている人によく見られる感覚過敏です。

感覚過敏とは、5感(正確には7感)のなかに敏感な感覚があり、それにより苦手なものがでてくるところです。

  • 食感
  • 匂い
  • 温度
  • 見た目

と言ったものが挙げられました。

中には、「熱々の物しか食べられない」「スイカは色が嫌いだから受け付けない」と言った子供もいます。

トミー
私は味が混ざるのが苦手でドレッシングが食べられません。小さい頃はたこ焼きのソースなんかも苦手でした。

感覚過敏については以下も参照してください。

わがままじゃない!自閉症スペクトラム障害の感覚過敏

 

発達障害を持つ子供の不器用さ

自閉症スペクトラム障害をはじめとして、発達障害を持つ子供には手先などが不器用なことがあります。

偏食とは少しずれてしまいますが、「食器を上手く扱えない」、「上手く飲み込むことができない」といったことが原因の可能性もあります。

こちらは定型発達の子供との比較がないのでなんとも言えませんが、自閉症スペクトラム障害を持っている子供では掻き込みや食べこみが多く見られたと報告されています。

これらのことも、自閉症スペクトラム障害を持つ子供達が「食べない」ことにつながっていると考えられます。

 

 

自閉症スペクトラム障害の偏食への対処法

実は、自閉症スペクトラム障害を持つ人への偏食の対応はまだ何が効果があるのかわかっていないのが現場です。無理解・知識のなさにより、「わがままだ」と決めつけた対応をとってしまう方も多くいるようです。

しかし一番大切なのは成長のために栄養を取ること。

ここでは実際に偏食の自閉症スペクトラム障害を持つお子さんを育てている親御さんの行っている対策をご紹介します。

 

こだわりに関して

毎回同じものを使うなど、「こだわりを利用して食べてもらう」「一緒に経験して慣れていく」などをしている方が多いようです。

また、食事の細かいルールを決めることで自閉症スペクトラム障害を持っているお子さんも安心して食事ができます。

 

感覚過敏に関して

これは、好きな感覚刺激を多く含み苦手なものを避けている方が多いです。

具体的にには、触覚が敏感な子にはミキサーで細かく砕いたり、温度に敏感な子には冷たいものを出したりなどが挙げられます。

 

トミー
感覚過敏はわがままはなくて障害の特性!強制しても効果がないことが多いんです。

不器用さに対して

形や大きさを統一し、柔らかくすることで飲みやすくする方法があります。

 

 

まとめ

自閉症スペクトラム障害の偏食について、その理由をご紹介しました。

感覚過敏やこだわり、不器用さは障害の特性のため、なかなか矯正したり直すことが難しいです。

そして、苦手なものには理由があり「どう矯正するか」ではなく「どう食べてもらうか」が大切なのです。

学校教育をはじめとして、自閉症スペクトラム障害の偏食について正しい知識や対応に繋がることを期待しています。

 

参考文献

􏰀橋 摩理,内海 明美,大岡 貴史,向井 美惠, 自閉症スペクトラム障害児の食事に関する問題の検討 第 2 報 偏食の実態と偏食に関連する要因の検討, 日摂食嚥下リハ会誌 16(2):175–181, 2012

 

宮嶋 愛弓 ; 立山 清美 ; 矢野 寿代 ; 平尾 和久 ; 日垣 一男, 自閉症スペクトラム障がい児の食嗜好の要因と偏食への対応に関する探索的研究, 作業療法, Vol.33(2), pp.124-136, 2014

 

􏰀橋 摩理,篠崎 昌子,大岡 貴史,内海 明美 ,向井 美惠, 自閉症スペクトラム児における摂食機能の問題についての検討, 日摂食嚥下リハ会誌 14(3):273–278, 2010

 

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mido

NeBA MEDIAリーダー。慶應義塾大学総合政策学部1年。大学で認知心理学と視線処理を用いた、定量的な自閉症の診断を研究しています。ASD当事者。概日リズム障害、不登校なども経験済み。中高時代はカナダ・BC州に在住

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