もっと知ろう 発達障害 自閉症スペクトラム障害

ASDとてんかんの関連性について

 コミュニケーションやこだわり行動などの症状が出る自閉症スペクトラム障害

様々な発作が出るてんかん。

一見関連性がなさそうなこの2つですが、実は自閉症スペクトラム障害の原因や早めの発見にとても大きな役割を果たします。

ここでは、最新(2017~2018年)の論文を使って、わかりやすく説明していきます。

少しでも気になったら専門家に相談しましょう。

 

自閉症とてんかんは併発しやすい

自閉症スペクトラム障害を持っている人がてんかんも持っている確率はとても高いです。

逆も同じで、てんかんを持っている人が自閉症スペクトラム障害を持っている可能性も普通より高くなっています。

 

ある研究の報告によると、自閉症スペクトラム障害でてんかんを持っている人は10人に3人の割合、てんかん患者の中で自閉症スペクトラム障害を持っている人は100人に5人という報告があります。

一般的には自閉症スペクトラム障害は100人に1人、てんかんは1000人に1人と言われています。これと比べるとかなり高いのがわかります。

 

自閉症と診断されている人がてんかんのような症状を発症したり、てんかんと診断されている人が自閉症のような特徴を持っていたら早めに相談することをおすすめします。

 

知的障害との関係性

知的障害とも元々合併しやすいてんかん。

自閉症スペクトラム障害を持つ人の中で、特に知的障害を持つ人はてんかんの発症率が高いこともわかってきました。

知的障害が重ければ重いほど、てんかんを持っている可能性が高かったでと報告されています。

 

年齢との関係性

年齢に関しては、2つの矛盾した結果が出ました。年齢が幼い方がてんかんを併発しやすい結果と、大きい方がてんかんを併発しやすいという結果です。

 

幼い方がてんかんを併発しやすいとした研究は、2歳より前にてんかんを発症すると神経発達に影響が出ることがあり、ASDに繋がるのでは?という仮説が立てられていました。

また、大きい方がてんかんを発症しやすいとした研究には、「歳を追うごとに自閉症スペクトラム障害と診断される人が増えるから母数が異なる」という疑問も残ります。

 

どちらにしろ、年齢によって差がある可能性は高くなっています。しかし、そのためには同じ条件での研究が必要になっています。年齢に関しては結論が出ていないのが現状になります。

家族の関係

自閉症スペクトラム障害やてんかんのどちらかの当事者がいる家族では、もう一方のリスクが高くなるという報告があります。

調査によると、自閉症スペクトラム障害を持つ人が2人いる家庭では、1人の家庭よりてんかんのリスクが6倍も高いという結果が出ています。

家族にてんかんやASDの当事者がいる場合、注意して見ておいた方がいいでしょう。

 

自閉症スペクトラム障害とてんかんが合併しやすい理由

 

理由として考えられているものをご紹介します。専門用語が多いので、噛み砕いての説明になります。詳しく知りたい方は参考元の論文をご覧ください

 

興奮・抑制のバランスの統制異常

遺伝子は異なりますが、脳のネットワーク領域の一部が自閉症スペクトラム障害とてんかんの両方に関連している可能性があります。それがGABAと呼ばれるものです。

これは、興奮や抑制を統制しています。異常に興奮したり、抑制する機能がなかったりしていることによっててんかんが起こるとしたら。

興奮抑制のバランスが、興奮性に偏るのが自閉症スペクトラム障害だとしたら。

 

この興奮と抑制のバランス度が自閉症スペクトラム障害とてんかんのどちらにも影響しているのではないか、という仮説が立てられています。

 

共通の遺伝子があるのでは

共通の遺伝子変異があるのでは、という研究もあります。ゲノムを解析したり、遺伝子のモデルを使った研究の結果、4つほど共通の遺伝子変化がある可能性がわかりました。

そして、そのうち2つはレッド症候群(自閉症スペクトラム障害のような症状が遺伝子によって起こる病気)の責任遺伝子(レット症候群を引き起こす原因の1つ)なのです。

自閉スペクトラム症とてんかん

 

ここから何ができるのか

自閉症スペクトラム障害の原因の解明に繋がるかもしれません。

また、一緒に発症することが多いことから、てんかんを持っている子の自閉症スペクトラム障害のスクリーニング検査を行い、早めの支援につなぐくとができるかもしれません。

 

まとめ

自閉症スペクトラム障害とてんかんの関連性についてでした。

自閉症スペクトラム障害とてんかんの研究が進む今、この2つ、そして知的障害との関連性は非常にホットな話題になっています。

てんかんとASDのどちらかを持っている場合、もう片っぽも合併する可能性は通常より高くなっています。どちらの障害も支援が早いほど良いので、気をつけて見ていく必要があるのではないでしょうか。

自閉症スペクトラム障害やてんかんに悩んでいる方々の参考になれば嬉しいです。

 

参考文献

小国 美也子, てんかんと自閉症スペクトラム障害, 鎌倉女子大学紀要 24, 153-159, 2017. 

安藤めぐみ , 池谷 裕 二 , 小山 隆 太 , 自閉スペクトラム症とてんかん, 日本薬理学雑誌148(2), 121-122, 2016. 

  1. Strasser, M. Downes, J. Kung, J. H. Cross and M. De Haan, Prevalence and risk factors for autism spectrum disorder in epilepsy: a systematic review and meta-analysis, Developmental medicine and child neurology 60(1), 19-29, 2018. 

 

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mido

NeBA MEDIAリーダー。慶應義塾大学総合政策学部1年。大学で認知心理学と視線処理を用いた、定量的な自閉症の診断を研究しています。ASD当事者。概日リズム障害、不登校なども経験済み。中高時代はカナダ・BC州に在住

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