「こころ」の病気と言われる精神疾患。
じゃあ、どうやって診断するの?精神科では何をするの?と思われた方は多いんじゃないでしょうか。
そこで、精神疾患に関する検査について、代表的なものをご紹介します。
もくじ
検査①心理検査
心理検査とは、心理の特徴(こころの状態の傾向)を見るために行う検査です。
数字で評価することの難しい心理状態を客観的に測れるようにすることで、診断などに役立てることができます。
知能検査
心理検査で一番わかりやすいのは、知能検査でしょう。知能検査では、知能指数(IQ)を計測することができます。
ビネー式知能検査、ウェクスラー式知能検査などが代表的です。
他にも、発達の状態を調べる発達検査や、認知症を判別するための高齢者用知能検査などがあります。
精神状態の評価
精神疾患の可能性や強さなどを測るテストです。
神経症の傾向を調べるCMI健康調査表、うつの症状を診断するSDS、不安の状態を分けるMASやSTAIといったテストがあります。
性格検査
性格がどのようにできているのかを調べる検査です。
質問にはい/いいえで答えていくものが一般的です。
他にも、何に見えるかを答えるテスト(ロールシャッハテスト)や穴埋め問題(文章完成法)、絵画テストなどもあります。
検査②生理学的検査
精神疾患は「こころ」の疾患ですが「脳」や体にも病気の兆候が現れることがあります。そのため、身体について検査を行うこともあるのです。
また、体の状態を調べることは、精神的に現れている症状がこころ(脳)の問題なのか、別の疾患なのかの判別をするために必要なのです。
血液検査、尿検査、レントゲン検査
血液検査、尿検査、レントゲン検査などは、他に当てはまる疾患や合併している疾患がないかを調べるために使われます。
ここから先にご紹介するのは大きな病院や他の疾患が疑われる場合に行うことが多いです。(全ての病院・全ての患者にむけて行っているわけではありません)
脳波
脳波とは脳の活動によって発生する小さな電気の発動を測ることです。脳波を計測することで脳の機能の状態を調べることができます。また、睡眠状態についてわかることもあります。
てんかんや意識障害の診断に使われることが多いです。
画像診断(CT)など
脳を画像で検査します。
器質性精神疾患でないかどうかを調べるために使われます。
睡眠ポリグラフ検査
眠りの質と深さを調べます。
検査③薬の副作用の確認
精神科では、薬を使った治療を行うことが多いです。その影響(主に副作用の有無)を調べるため、心電図や血液検査を行うことがあります。
まとめ
精神疾患は目で見ることができません。
そのため、こころの状態と同時に体の状態をみて、他の疾患でないか、副作用がないかを調べるために検査が使われることがあります。
精神科の検査は疾患ごとにたくさんあり、全てをまとめることはできませんでしたが、参考になれば良いなあと思います。
参考文献
Nomura, S., Higuchi, T., Ozaki, N., & Asada, T. (n.d.). 標準精神医学.
Takeda, M., Nishikawa, T., Nakao, K., & Mikami, A. (2014). 精神医学マイテキスト. Kyōto: Kinpōdō.