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PTSDの睡眠障害について知っていますか?

PTSDという言葉を聞いたことがありますか?

災害やショックな出来事がトラウマとなってしまう疾患です。

そして、その影響は睡眠にも多く現れると言われています。

PTSDについて理解するためにも、睡眠について学んでいきましょう。

 

PTSDの多くがなんらかの睡眠障害を経験

PTSDに関する研究では、「睡眠」というのがかなり大きな症状だということがわかってきました。ここでは悪夢と不眠について詳しくご紹介します。

 

悪夢

PTSDの睡眠で特徴的なのが悪夢です。一般的に、1ヶ月に1回以上悪夢を見る人は5人に1人の割合と言われています。

一方、PTSDを持つ人は2人に1人の割合なのです。

 

この悪夢というのは外傷体験(トラウマになっている出来事)と関係がある時もありますし、関係がない場合もあります。

特に外傷体験に関係のある夢は、中途覚醒(途中で目が覚めてしまうこと)の回数と深い関係があると報告されています。悪夢を見ると平均して20分〜1時間ほど眠れなくなってしまう人が多かった様です。

また、この場合、悪夢は繰り返し見ることが多いのが特徴です。

 

どんな人が悪夢を見るのか

ベトナム戦争の経験者を対象にした研究では、外傷体験の激しさなどが関係している可能性があることがわかってきました。

また、不安や自殺念慮と言った強いストレス状態にあるときも悪夢を見やすくなります。

 

不眠

寝つきが悪い、寝続けられない、寝た気がしないなどの症状もPTSDの人で多く見られます。海外で行われた400人を対象にした大規模な調査では、9割以上が不眠に関することを訴えていたと報告されています。

 

PTSDの不眠の特徴は、外傷体験から2、30年経っても続くことがあることです。

 

その他睡眠障害

他にも中途覚醒や夜間ミオクローヌス(体がピクピク動くこと)、REM睡眠行動障害、夜驚症(夜中に突然起きる、叫んでしまうなど)、睡眠時無呼吸症候群などを併発する人もいます。

これは、PTSDが睡眠障害を発症する危険因子になるのでは、と考えられています。

 

PTSDの睡眠障害に対する治療法

それでは、PTSDの睡眠障害にはどの様な治療が行われるのでしょうか。ここでは代表的な2つをご紹介します。

 

薬物療法

睡眠障害のメインの療法は薬を使ったものになります。ベンゾジアゼピン系睡眠薬という種類の睡眠薬が使われることが多いです。海外ではSSRIというセロトニンに関連した抗うつ薬も使われることがあります。

 

行動認知療法

今まで、睡眠に関する行動認知療法はあまり行われていなかったのが現実です。しかし、現在はトラウマに焦点を当てたものや、悪夢に焦点を当てたものが少しづつ研究されています。

中でもイメージリハーサルセラピーという方法が、悪夢やその他睡眠障害、さらにはトラウマ体験にも良い影響があるのではないかと期待されています。

 

まとめ

PTSDという言葉は知られる様になってきましたが、その症状は十分に理解されてるとは言えません。今回は睡眠障害についてご紹介しました。

PTSDを持つ人は睡眠に困難が出やすく何年も続くこと、また、病気の特徴として「悪夢を見る」ことなど、PTSDの人が抱える困りごとを知っている人が増えるきっかけになれば良いなと思っています。

 

参考文献

 

山田尚登, 9. 心的外傷後ストレス障害と悪夢, 睡眠医療, 2015, Vol.9(4), pp.545-550

 

土生川 光成 ハブカワ ミツナリ ; 前田 正治 マエダ マサハル, PTSDにおける睡眠障害--特徴的な睡眠ポリグラフ所見とアクチグラフ所見, 臨床脳波, 2010-01, Vol.52(1), pp.18~24

 

土生川 光成 ハブカワ ミツナリ ; 小城 公宏 オギ キミヒロ, PTSDと睡眠障害, 睡眠医療 : 睡眠医学・医療専門誌, 2011, Vol.5(3), Passage No.20, pp.281~285

 

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mido

NeBA MEDIAリーダー。慶應義塾大学総合政策学部1年。大学で認知心理学と視線処理を用いた、定量的な自閉症の診断を研究しています。ASD当事者。概日リズム障害、不登校なども経験済み。中高時代はカナダ・BC州に在住

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