小児期発症流暢症とも呼ばれる吃音。
発達障害の一つでありながら知名度が低い障害です。この知名度の低さがネックになって、無理解な対応を取られることもあります。
吃音ってなんなの?どんな症状なの?という方のために、基本の情報をご紹介します。
吃音症の定義(DSM-5 から勝手に簡略)
A.以下の症状が一つ以上現れ、年齢や言語技能に不相応である
1音声と音節を繰り返す
2子音と母音が延長される
3単語が途切れる
4聞き取れる状態・無言の状態で会話が停止してしまう
5遠回しの言い方(苦手な単語を避ける)
6過剰に緊張して話す
7単音節の単語の反復
B.話すことの不安やコミュニケーション、社会参加、学業などに支障をきたしている
C.発達早期に現れる
D.他の精神疾患や神経損傷では説明ができない
吃音症の症状の特徴
年齢や言語能力に対して、流暢さが低いことが大きな特徴です。「流暢さがない」とは以下のような状態を指します
- 単語や音を伸ばす
- 口ごもる
- 何度も止まってしまう
特定の言葉や行が言いにくいこともあり、症状は人によって様々です。
吃音症のその他症状の特徴
症状は場面ごとに変わることがあります。人前で話すなどプレッシャーがかかるときには症状が悪化します。また、音読や歌のときには症状が起こらないことが多いです。
うまく話せないことに関して予期不安になってしまうことがあります。また、吃音の症状が出ることを恐れ人との会話を避けることもあります。これらは不安やストレスにつながってしまうことがあります。
吃音症の発症年齢
比較的幼い頃に診断されます。9割近くの子が6歳までに発症しています。
突発的に発症することもあるし、徐々に症状が明らかになっていくこともあります。
また、8割近い子供が吃音症を克服(回復)することも言われています。
吃音についてもっと知りたい!
吃音についてはこちらのサイトが詳しく説明されています。
吃音を持っている方をNHKが取材した動画です。吃音と共に夢に向かっている方たちの話なので、みてみてください。
参考文献
Diagnostic and statistical manual of mental disorders: DSM-5. (2013). Washington, DC: American Psychiatric Publishing.
中根允文ほか, ICD-10精神科診断ガイドブック, 中山書店