もっと知ろう 精神疾患

どうして死にたいって思うのか

10代、20代の死因で一番多いと言われる自殺。悲しいニュースは後を立ちませんよね。

 

どうして人間は死にたいと思うのでしょうか。

死にたいと思うことはどういうことなのか、考えていきたいと思います。

 

※この記事は自殺を扱います。苦手な方、今苦しんでいる方には適さないかもしれません。場合によっては、ブラウザバックを推奨します。

 

自傷と自殺の違いを比較してみた

 

死にたいと感じるには理由がある

 

実は、死にたいという感情を持つまでにはきちんと理由があり、様々な研究が行われています。

ここでは具体的にどのようなプロセスなのか、何が死に繋がるのかを紹介します。

 

 

自殺までのプロセス

 

実は自殺をしてしまった人の9割は精神疾患を持っていたという報告があります。これには自殺までのプロセスが関係しています。

 

私たちは様々な出来事に直面しますよね。

その中で、マイナスな出来事(仕事を失う、身近な方が亡くなる、病気になる、家族の不仲など)にあった時にストレスを感じます。

そして、そこで適切なサポートをもらえないと、抑うつ状態になり、精神疾患を発症し、自殺にたどり着いてしまうことがあるのです。

 

自殺の要因

 

精神疾患

自殺に関係ある精神疾患はいくつかあります。中でも、うつ病は深く関わっていると言われています。

報告によって少しずれはあるものの、鬱病患者の2〜8%が自殺をしてしまうとされています。

 

これには、2つの要因があります。

 

認知のゆがみ

これは簡単にいうと全てがマイナス思考になってしまう状態です。

悲観的思考になってしまい、死ぬこと以外の選択肢を感じなくなってしまいます。

これは、「心の狭窄」(こころのきょうさく)と呼ばれることもあります。

 

メランコリー性希死念慮

聴き慣れない言葉が出てきましたが、これは「うつ病のせいで起こる死への衝動」です。

うつ病を持つ人の中には「なんで死にたいのかわからないけれど死にたい」と訴える人が多いのです。

それを、メランコリー性希死念慮とよび、他の希死念慮と分けて考える案が出ました。

鬱病の症状によって起きる不安が解離してしまい、理性が吹っ飛んでしまうのです。

 

 その他の精神疾患

双極性障害では10~15% 、統合失調症では4〜5%のかたが自殺すると報告されています。

また、アルコール依存症、摂食障害、境界性パーソナリティ障害を持つ方の自殺リスクも他の人と比べて高くなっていると言う調査結果があります。

 

耐えられない精神の痛み

 

自殺の動機として多いのは、「こころの痛みから逃れるため」です。

このこころの痛みとは、罪悪感、恐れ、不安、心配、孤独感などを指します。

 

絶望感

他の説としてあるのは「負担感の知覚」「所属感の減弱」「自殺潜在能力」の3点が組み合わさるというものです。

負担感の知覚

これは、周りに迷惑なんじゃないか、消えた方が良いのではないかと言った気持ちになる状態です。

生きていることが周りへの負担なのではないかと考えてしまいます

 

所属感の減弱

一言で言うと、居場所がなかったり、社会的に孤独だと感じている状態です。

 

自殺潜在能力

自殺できる能力をいいます。

死ぬと言う行為は簡単にできるものではありません。

しかし、自傷や自殺未遂の経験、暴力的な場面に立ち会って得た、恐怖や苦痛のある経験は、自殺する能力を上げてしまうとされてます。

 

症状の重さは関係ない

実は、軽いうつ状態の方も自殺には気をつけなくてはいけません。

岩手大学などの報告によると、自殺未遂をして重症な状態になった方の2割は適応障害などの比較的軽い精神疾患だったのです。

また、大学生への調査では、希死念慮(死のうと想うこと)の経験がある人の6割は自傷や自殺未遂の経験がなかったのです。

また、誰かに相談していたのは10人に4人にとどまっていました。

 

まとめ

少し重いテーマですが、死にたいと思う原因について調べました。

自殺や死にたいと思うまでにはステップがあり、周りの助けを求めることができないこと、様々な要因が重なっていることがわかったでしょうか。

もちろん専門家ではない私たちにできることは限られていますが、少しでもSOSに気がつける人が増えたら良いと思います。

 

参考文献

神澤 創・中田 玲奈・才野 雄大, 若年者の自傷行為と精神的健康に関する研究, 帝塚山大学心理学部紀要 5, 57-63, 2016

平村英寿, 希死念慮および自己破壊行動の心理社会的関連要因に関

する実証研究, 熊本大学学術リポジ トリ,2009

Joiner TE Jr, Van Orden KA, Witte TK, et al:The Interpersonal Theory of Suicide:Guidance for Working with Suicidal Clients. American Psycho- logical Association, Washington DC, 2009

Shneidman ES:The Suicidal Mind. Oxford University Press, New York, 1996

張賢 徳 , 自殺リスクの評価; —ハイリスク者の発見と対応—, 心身医学56(8), 781-788,2016.

 

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mido

NeBA MEDIAリーダー。慶應義塾大学総合政策学部1年。大学で認知心理学と視線処理を用いた、定量的な自閉症の診断を研究しています。ASD当事者。概日リズム障害、不登校なども経験済み。中高時代はカナダ・BC州に在住

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