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チック症・トゥレット症候群の原因まとめ

子供の頃によく現れるチック症や、音声と運動チックの両方が現れるトゥレット症候群など。

クラスに2人や3人いてもおかしくないほど、身近な症状で、癖として見逃されることも多く、またそのほとんどが一過性です。

しかし、チックはなぜ起こるのでしょうか?

今現在わかっていることをご紹介します。

 

チック症の原因は脳の体質チック症の原因は脳の体質

結論からいうと、チック症やトゥレット症候群の原因ははっきりとはわかっていません。しかし、様々な結果から脳の神経伝達物質ドーパミンが関わっているのではないか?と言われるようになりました。

これは、ドーパミンの活動を抑える薬がチックを抑える効果があったためです。そして、ドーパミンが過剰反応するかどうかは、脳の生まれつきの体質になります。

 

チック症には環境も関係がある

チックは不随意運動と言われ、本人の意思に関係なく起きる症状です。

これは、緊張、興奮、疲労状態でよく出ると言われています。また、くつろいでいるときにも症状が現れることがあります。これは、人前(学校など)では気をはって症状が出ないようにしているのが、家に帰った途端リラックスできるからだと考えられます。

 

チックと遺伝との関係は?

チック症・トゥレット症候群と遺伝の関係はあるのでしょうか。現段階の研究では、ないとは言えないが、親がチック症があるから子供も、といった単純な遺伝ではないと言われています。発症には、様々な要因が絡んでいると言われているためです。

また、チックは幼い頃には10人に1人にほどいるとも言われています。親が気がつかないまま育ったケースも多いのです。

 

ただ、チック症・トゥレット症候群と、他の発達障害(自閉症スペクトラム障害、注意欠陥・多動症、学習障害)などは関連があると言われています。これらの発達障害を持っている場合、チック症やトゥレット症候群も持っている割合が比較的高いのです。

 

症状の遺伝を見るときに使われるのが、双子を使った研究・双生児研究です。一卵性の双子と、二卵性の双子で、両方がその疾患を持っている確率を調べます。

一卵性の双子の方が、両方が疾患を持っている可能性が高い場合、それは遺伝が関係していると考えられます。

トゥレット症候群の双生児研究では、両方がトゥレット症候群の可能性は一卵性では50%、二卵性では10%だと報告されています。

つまり、少なからず遺伝の影響があると考えられています。

 

チックの遺伝の要因は

チックを発症する要因となる遺伝子は、まだ特定されていません。しかし、複数の研究から可能性が高いものは見つかっています。

 

ちなみに・・・

SLITRK1はトゥレット症候群・ADHD の孤発例が染色体逆位から、HDCが家族研究から、関わりが強いとされています。詳しくは参考文献をご覧ください。

 

具体的にどのくらいチックは遺伝するのか

実は、遺伝の可能性が高いとはいえ、絶対に遺伝するというわけではありません。

例えば、兄弟では遺伝する可能性が10人に1人〜3人の割合と言われています。

トゥレット症候群を持つ人の子供に遺伝する可能性も最大で50%ほどと報告されています。

 

チックは本人や親のせいではない

チックは本人が好きでやっているわけではありません。また、脳の性質のため、親のしつけや育て方が悪いわけでは決してありません。

 

まとめ

決して珍しい症状ではないチック。現段階でわかっている原因をまとめました。

くりかえしますが、チック症は本人のせいでもありませんし、親の育て方のせいでもありません。

チック症を持っている子供や人を見かけても、きちんと理解して接する人が増えることを祈っています。

 

参考文献

汐田まどか, (7)チック症と心身症, チャイルドヘルス 16(7), 481-484, 2013. 

Althea Stillman,Tourette Disorder Overview, Gene Review, 2009. 日本語訳者: 大塚洋子, 櫻井晃洋, トゥレット障害概説, 2012.

江里口 陽介, トゥレット症候群のDe novo変異の探索, 東京大学学術機関レポジトリ, 2016.

金生 由紀子 , 強迫性と衝動性に関する問題に関わって, 児童青年精神医学とその近接領域 60(3), 269-276,2019.

Okazaki, Y., Okubo, Y., Kojima, T., Watanabe, Y., Nakane, Y., & Yamauchi, T. (n.d.). Icd-10 精神科診断ガイドブック.

 

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mido

NeBA MEDIAリーダー。慶應義塾大学総合政策学部1年。大学で認知心理学と視線処理を用いた、定量的な自閉症の診断を研究しています。ASD当事者。概日リズム障害、不登校なども経験済み。中高時代はカナダ・BC州に在住

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