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二次障害の生じる経緯やそれを未然に防ぐ対処法

発達障害ときくと、皆さんはどのような人間や人生を思い浮かべますか。大変そうとか、発達障害自体にいいイメージを抱いていない方も多いと思われます。

発達障害はどれくらい重いのか?

これに関しては、人によると思います。障害に自覚がなく生活を送っている方も多くいると思います。私は個人的に、重さ軽さというより、発達障害は能力の凹凸、つまりできることとできないことの差が大きいと考えていて、その程度によって辛さの度合いが変わると考えます。(特に日本の社会の現象では) 当事者の不得意が注意を引いてしまい、それ故に二次障害が引き起こされてしまうことが多いです(T . T)

以下にて詳しく説明します。

二次障害が生じる経緯

発達障害を持っている方は成長過程のうちに二次障害を発症することがあります。「外傷的な経験や対人関係から生じた負の痕跡(本より引用)」と述べられておりますが、そのように考えていいと思います。例えば、最も身近な例として挙げるとその家庭環境です。家庭環境によって人格形成が行われていくのは、定形発達児でも非定系発達児(発達障害を持っている子供)でも同様なことであり、それによって個人のストレス対処法に大きく影響していきます。

発達障害の人がもつ特徴(特に不得意なことや迷惑がかかること)は周囲の人のネガティヴな感情を促してしまい、周囲の人はより当事者を責めるようになり、自身低下や無力感を感じるようになります。そうして出会った当初よりも関係が悪化し、複雑化されてしまいます。そのため発達障害の当事者も、周囲に受け入れらない不満や自尊心の低下が積もってしまいます。後ほど紹介しますが、塞ぎ込み、うつのような状態になる場合や、怒りを反抗的な行動に発展させてしまうケースが多いのです。

一方で、発達障害の子供でも家族に尊重されて育っていった場合、万一ストレス反応を起こした場合は、心理的防御反応で対処したり、周囲のサポートできる人間や組織に相談する、あるいは回避することを思いつき、自分で対処法が生まれるといいます。ただ、この場合は奇跡的で、過保護や虐待、保護者の否認などによりこのようなケースになかなか至らないことが多いのです。

*二次障害の必然性について

二次障害はその障害と環境の相互作用により生まれるため、発症率は高いと思われるが、発達障害の当事者全員が発症するとは言い切れない。ただ二次障害とまでは言い切れない生活での弊害が生まれる可能性もあります。例えば、周りとうまくいかなく少々悩んでいるが、病的なほどではない場合などが挙げられる。

二次障害の大まかな分類

①精神疾患の診断に当てはまるかどうか

抑うつ症状や反抗挑戦性障害は精神疾患の診断に当てはまります。ここでいう精神疾患は人格障害も含めます。ただ、ひきこもりや暴力を振るなどといった行動の変化などが生じた場合、精神疾患の基準に満たない場合があります。

②外在化障害か、内在化障害か。

外在化障害と内在化障害のおおまかな分類は、攻撃的行動を起こしているか消極的になっているかの基準軸にて判断されます。

外在化障害の例・・・反抗、暴力、放浪、犯罪 反抗挑戦性障害、行為傷害など

内在化障害の例・・・落ち込み、ひきこもり、対人恐怖 強迫性障害、分離不安障害、社会不安障害、気分障害など

こちらの記事にて、ASDの二次障害について詳しく書いてあります。

二次障害の予防策

二次障害の予防策として、ある程度社会に触れる機会を設け、社会性を身につけさせることが必要です。しかし、身につけさせる方法として、叱責型で行うのは、症状を悪化させて恐れがあるため、相応しくありません。以下の方法が推奨されています。

①行動の善悪を明確にさせる

相応しい行動や、子供自身に成長が見られた場合はなるべく具体的に褒めましょう。例えば、「いいね、偉い!」という伝え方ではなく、「プリントをしまえるようになったね」「手を挙げてから発言できるようになったね」などという褒め方です。これによって子供が「この行動はいいことなんだ」と学習できます。

相応しくない行動を起こしてしてしまった場合は?自分の子に成長してほしいという思いが強く、つい叱ってしまう方はかなり多いと思います。まあ確かに、ある行動をとって叱られ、傷つく思いをしたらとめるきっかけになると思いますが…実はこれが二次障害を促してしまうことがあります。つまり、怒られたことに対し反発してしまったり、自己評価が低下してしまうことがあります。問題のある行動を取られた場合、無視することが一番効果的だと思われます。

その行動の修正を行う必要がありますが、どう修正するか、子供と一緒に考えていきましょう。それ自体が大変なことがあるので、励ましながらがコツです。一つ目の行動の修正が終わったら、次の目標を決めますが、その前にも必ず具体的に褒めると効果的です。

②SST(なりきり、ごっこ遊び、ロールプレイングゲーム)を用いて社会性を育てる

子供同士の遊びの一つとして行われる場合もあるごっこ遊びですが、SSTには以下のような効果があります。

子供は成長するにつれて、自分が所属する集団内での自分の役割を把握し、その場に適切な振る舞いを行うようになります。ただ、自閉症スペクトラム障害(ASD)のこだわり、注意欠陥多動性障害(ADHD)の衝動性などの症状により、この振る舞いをすることが困難になり、周囲とのトラブルを生んでしまいます。そのような溝を埋めるために適切なゲームだといわれます(そしてこの方法を実施する際、子供自身は楽しい気持ちにさせながら、学ばせることが大切だと思われる)。

*注意事項

一度対応方針を決めた場合、よほどのこと(子供本人による極度の拒絶反応など)がない限り、続けることが重要です。少なくとも、2〜3週間は続けましょう。その理由として、しばらく経ってみないとその効果自体がわからない。また、極端な変化は子供にストレスを生じさせるためである。

子供の発達障害の実態把握ができない理由

①学校の成績は数値のみであるため

それだけでは、子供の具体的な"様子"が見れない。例えば、授業中の的外れな発言が多い、泣き出してしまう、とにかく動き回ってしまう、話を聞いていなさそうと言った授業中の様子記録や、友人関係が破壊的であることが記載されない。また、これらのこと自体に教員の目が届いていなかったりするケースもある。勉強についていけない子の教育方法などを工面していたり、気にされている場合はとくに気が付かなかったというケースも多々ある。

②保護者の否認。

「うちの子は大丈夫」といった思い込みにより、子供の育て方について深く考えていなかったり、発達障害の支援について調べていないケースが見受けられます。

人間は自分や自分の子供が大丈夫であると思いこんでしまう自己防衛(セルフスティグマ)により、否認してしまうことがあります。(筆者自身も、「もっと症状が過酷な人がいる、あなたは異常じゃない」と言われたことがあります。) 詳しくは、こちらの記事も参考にしてください。

③家庭事情が悪い

上と逆のケースで、子供を虐待していたり、なぜできないかについて叱責していたりするケースです。この場合子供の精神は間違いなく悪化します。しかし、周囲から手を差し伸べられたとして、それは虐待の支援などになってしまい、根本にある発達障害を実態把握できなくなります。

最後に

発達障害を抱えた子供の性質が生んだ周囲との関係や摩擦によって、自己評価が低くなってしまい、二次障害を生んでしまうことが多いです。

子供もその症状に向き合って生きていくために、その予防策や、実態把握をしておくことが大切です。

引用

齊藤万比古,2009, 発達障害が引き起こす二次障害へのケアとサポート

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jun

慶應義塾大学SFC生2年。 二次障害や合理的配慮を中心とした記事を書いています。

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