双極性障害 精神疾患

双極性障害の攻撃性についてきちんと理解していますか?

双極性障害と調べると出てくるのが「攻撃性」

躁状態になった時、人柄が変わったようになり攻撃的に見えた、という経験をされた方は残念ながら少なくないようです。

しかし、どうして攻撃的になってしまうのか、どう対応したら良いのかについてはあまり広まっていないように思えます。

双極性障害・精神疾患の理解のためにも避けられないテーマ:攻撃との関係について、論文から説明していきます。

 

攻撃性とはなんなのか

そもそも攻撃的、攻撃性、攻撃とはなんなのでしょうか。

研究の世界では「Agression Questionaire 」(攻撃性アンケート)というものがあります。このアンケートでは、攻撃性を以下の通りに分けてみています。

  • 物理攻撃性 
  • 言語攻撃性 
  • 怒り 
  • 敵意 
  • 間接的攻撃性 

 

目に見えるものだけが攻撃ではない

人は怒りを感じた時、耐えきれない時に攻撃をすることがありますよね。そして、相手に対する攻撃は目に見えてわかりやすいです。しかし、中には自分に向かう攻撃性もあります。例を挙げると、自殺関連の行動です。自分を攻撃することも攻撃の現れの1つなのです。

 

気分の上下が激しいのが躁状態

 

そもそもの話、双極性障害は病気です。その人の全てを表しているわけでも、本質でもありません。持っている「症状」なのです。そして病気とされるには基準があります。

アメリカ精神医学会が出しているDSMー5の基準によると、双極性障害に必要な躁エピソードの定義に「普通でなく、継続的に気分が高揚したり、開放的な気分になったり、怒りやすくなる」というものがあります。

 

躁エピソードの特徴として「怒りやすさ」というものがあるのです。この怒りが外に向かった時に「攻撃的」に、自分に向かった時に「自傷・自殺行動」につながってしまうことがあるのです。

 

双極性障害を持っている人と攻撃性

 

先ほどのAgression Questionaire 」(攻撃性アンケート)を使った研究によると、双極性障害を持っている人は攻撃性の点数が健常の方より高かったと報告されています。

暴力犯罪も双極性障害を持っていると2倍以上発生率が上がった報告もあります。

 

特に躁状態の時には、自尊心が高まり、リスクが高い行動をしてしまうことが多くなります。それにより法に触れてしまうことがあると考えられています。

 

繰り返しますが、攻撃的なのは病気(躁状態)の影響です。本人ではありません。

 

双極性障害の攻撃性を和らげるために

それでは、実際にどうすれば双極性障害を持つ人が攻撃に達することがなくなるのでしょうか。様々な治療や療法がありますが、中でも2つをご紹介します。

 

気分を安定させる

一番大切なのは、双極性障害における気分の波を減らすことです。そこで有効なのが薬物療法と言われています。気分安定剤を服用することによって鬱や躁状態を抑え、怒りや攻撃を防ぎます。

また、頓服(調子が悪い時に飲む薬)も有効です。様子がおかしくなったり、調子が変な時な薬を飲めるようにしておくのも対策になります。

 

落ち着くまで待つ

双極性障害の怒りや怒りからくる攻撃性は、一種の発作のようなものです。そのため、しばらくすると落ち着くこともあります。気分が高まってしまっているときは、ゆっくり話を聞いたり、落ち着ける場所でひとりにしておくのも良い方法だとされています。

 

まとめ

精神疾患を語る上で避けられない、攻撃性についてのお話でした。

攻撃的になってしまうのは病気のせいで、本人のせいではありません。しかし、怒りや攻撃を防ぐための方法はあり、当事者や周りの人によって和らげることはできます。

ただ一部だけをみて偏見を持つのではなく、しっかり学び、広い範囲の情報を知ることも大切だと考えています。

 

参考文献

寺尾岳,双極性障害の怒りに対応する,精神医学, 15 November 2019, Vol.61(11), pp.1259-1266

寺尾岳,双極性と攻撃性,臨床精神医学,46(9),1135−1139,2017

 

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mido

NeBA MEDIAリーダー。慶應義塾大学総合政策学部1年。大学で認知心理学と視線処理を用いた、定量的な自閉症の診断を研究しています。ASD当事者。概日リズム障害、不登校なども経験済み。中高時代はカナダ・BC州に在住

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