うつ病 もっと知ろう 精神疾患

うつだと一日中寝てしまう それは抑うつの症状なんです

抑うつといえば不眠症のイメージがあるかもしれません。

じゃあ、ずっと寝てしまう私は…あの人は…と思ったそこのあなた!うつ病の症状として過眠が出ることもあるのです。

この記事では、不眠の影に隠れがちな抑うつの過眠をご紹介します。

ポイント

  • うつ病では睡眠障害があらわれることがある
  • 過眠もその一つ
  • 若い人によくみられる

 

[注意]

この記事では「うつ病」「抑うつ状態」「抑うつエピソード」という言葉が出てきます。抑うつという言葉を使う意味としては、双極性障害のうつ状態を含んで話がしたいからです。

うつ病は抑うつ状態のことだなあ、抑うつエピソードは抑うつ状態の定義だなあとぼんやり理解して読んでください。

 

そもそも過眠とは

過眠症とは、睡眠時間が7時間続いているにもかかわらず、過剰なくらい眠くなる疾患です。またいくら寝ても回復感がありません。刺激が少ないとき(話を聞いているとき、移動しているとき)などに起こりますが、仕事中などに寝てしまう場合もあります。

一週間に3回以上、3ヶ月続くと過眠と認められます。

 

睡眠障害はうつ病(抑うつエピソード)の症状の1つ

 

アメリカ精神医学会の出しているDSM-5という定義によると、「ほとんど毎日の不眠や睡眠過多(過眠のこと)がある」ことが診断基準としてのっています。

うつ病の身体症状としては一番多く、うつ病のバイオマーカーと言われるほどです。

つまり、たくさん寝てしまうのは怠けているわけでも何でもなく、うつ病の症状の1つのことがあるのです。(もちろん違うケースもありますが)

そもそも、うつ病をはじめとする気分障害で睡眠障害を持っていないのは1%ほどだと言われています。それだけ、睡眠障害とうつの関連は強いのです。

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うつ病の睡眠障害は大きく分けて2つ、不眠と過眠があります。

抑うつ状態のの睡眠障害で一番多いのは不眠だと言われ、うつ病の8〜9割が不眠の症状があると言った報告もあるくらいです。

不眠は以下の通りです。なかでも早朝覚醒が一番多くみられます。朝は不安や焦りを感じやすいので、自殺にも注意が必要です、また、妄想を引き起こすこともあります。

  • 入眠障害(なかなか寝れない)
  • 熟眠障害(しっかり寝れない)
  • 中途覚醒(途中で起きてしまう)
  • 早朝覚醒(早く起きてしまう)

双極性障害の躁状態でも不眠は現れますが、苦痛を伴わないという特徴があります。

 

過眠症状は昼間でも強い眠気を感じることが特徴です。

抑うつ状態の過眠は少なくない

過眠も少なくありません。抑うつ状態を持つ人の10人に1人から4人は過眠の症状があるといわれています。

とくにこの過眠は双極性障害の抑鬱状態にみられます。躁状態では睡眠薬が必要なのに、うつ状態は全く必要でないこともあります。

また、過眠の症状がある人はうつ病を発症するリスクが2倍ほど高くなるという報告もあります。

 

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抑うつ状態の過眠の理由は

なぜ過眠状態になるのか、その理由は研究が行われている最中でわかってはいません。

今のところ以下のことがわかっています。

  • 入眠潜時の延長
  • 睡眠持続性の低下
  • 深睡眠の現象
  • レム睡眠潜時の短縮
  • レム密度の上昇

 

活動量が減ることや、精神運動を抑制しようとする動きなどが関わっているのでは、とも言われています。

過眠症のナルコレプシーなどとは違った睡眠の症状だというのはわかっています。

 

 

抑うつ状態で過眠になりやすい例

それでは、実際にどんな人が過眠になりやすいのでしょうか。実は抑うつの種類によって少し違いがあるのです。

双極性2型障害

一番過眠が多いと言われているのが、双極性2型障害の抑うつ状態の時です。

非定型うつ

初めの頃の抑うつのエピソードに過眠が現れることがあります。

双極性2型障害を後に発症することもあるので注意が必要です。

気分変調障害

1日続く不眠や過眠があります。重篤気分変調障害は幼い子(10歳以下)に発症するうつのような疾患です。

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思春期など若い頃に発症するうつ病

若い頃に発症したうつ病では、過眠が多く発生すると言われています。

特に思春期では半数近くが過眠を訴えていることもあるのです。

昼間の過度な眠気に苦しんでいる子は少なくありません。

 

ルーシー
とにかく寝てしまいます。いつでも眠いです。頭が痛くなるまで寝てしまうこともあるんです。

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まとめ

抑うつ状態の過眠についてまとめました。あまり情報の少ない抑うつ状態での過眠ですが、人によっては抑うつの症状です。

双極性障害や若い人のうつ病では注意が必要です。

 

参考文献

清水徹男, うつ病と睡眠, 日本臨牀, Vol.75(10), pp.1601-1605 2017

秋久 長夫 , 松浪 克文 , うつ病と睡眠障害, 成人病と生活習慣病 : 日本成人病(生活習慣病)学会準機関誌 / 成人病と生活習慣病編集委員会 編, Vol.48(8), Passage No.564, pp.921-925,2018

橋爪 祐二, 過眠型うつ病の睡眠仮説と治療, 睡眠医療 : 睡眠医学・医療専門誌, 2012, Vol.6(2), Passage No.24, pp.216-221

橋爪祐二, うつ病と睡眠障害, 臨牀と研究,Vol.91(5), pp.648-652,2014

中尾睦宏. “うつ病・不安障害と睡眠障害.” 臨牀と研究 89.6 (2012): 786–790


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mido

NeBA MEDIAリーダー。慶應義塾大学総合政策学部1年。大学で認知心理学と視線処理を用いた、定量的な自閉症の診断を研究しています。ASD当事者。概日リズム障害、不登校なども経験済み。中高時代はカナダ・BC州に在住

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