みなさん、鬱という言葉を聞いた時、まず何を思い浮かべますか。
「ああ、今日は憂鬱だ」
「最近嫌なことがあった。鬱かもしれない。」
鬱という言葉はこうやって多用されることが多いかもしれません。
私も以前、多用していたかもしれません(笑)
しかし、実はそれ自体がうつ病の定義だとは限らず、本当に自分自身がうつ病かどうかであるかは見極めが難しいのです。
「鬱」症状にまつわる病気や、あらゆる誤解について説明いたします。
「抑うつ状態」とは?
憂鬱な気分が強い、気分が落ち込む・塞ぎ込んでいることが多く、かつ持続している状態のことです。
よく、うつ状態とも表現されます。
「抑うつ状態」が症状として現れる病気
抑うつ状態が症状として現れる病気は6種類存在していることがわかっています。
・大うつ病:うつ病とも表現される
・双極性障害:躁うつ病とも表記される
・抑うつ体験反応:神経発達障害との併存症(発達障害の二次障害の扱いとなる)として広義の適応障害を含んでいます
・症候性抑うつ状態
・統合失調症の抑うつ状態
・薬剤性抑うつ状態
抗うつ薬は一体何なのか?どこが危険なのか?
実は、抗うつ薬が効く唯一の精神疾患は「大うつ病」のみです。
双極性障害、抑うつ体験反応など、上記に挙げた五種類の他の疾患を治す効果はありません。
「大うつ病」は、「抑うつ症状」が出現した患者さんのたった0.37%のみしか占めていません。
したがって、多くの精神科で見られる、お客さんがうつ症状を訴えれば抗うつ薬を渡す行為は実は非常に危険なのです。
「駅前病院」の仕組みと人々がはまってしまう罠
まずここでいう「駅前病院」とは、人が忙しい時でも気軽に通える精神科及び心療内科のことを指しています。
そこには、会社を休むために『うつ診断書』を、あるいはとにかく薬を欲している患者さまが多く集まるのです。
15分程度の短期的な診断で済むので混み合い、まるで人気な病院に見せかけることが可能なため、より多くの人を惹きつけます。
うつ病以外の病気の説明をするのは手間がかかってしまうため、病院側は悪意はなくても、対症療法に偏りすぎる結果、「大うつ病」と診断し、薬ばかり処方してしまう傾向があります。
医者は権威があり患者は無力なので、自分にうつ症状があると刷り込まれた患者は、医者が言う通りに薬を飲んでしまうわけです。
まとめ
誤解されやすいうつ症状とうつ病との違い、抗うつ薬の作用についてまとめました。
個人的な意見として、精神科で「うつ病です」と診断されたとしても、それを鵜呑みにしない方がいいと考えます。
以下の本を参照しました。気になる方は、是非こちらも読んでみてください。
参考文献
復職後再発率ゼロの心療内科の先生に「薬に頼らず、うつを治す方法」を聞いてみました
亀廣聡, 夏川立也 (2020)